生地の素材【横浜西口店】
こんにちは。
横浜西口店、曽根でございます。
長々と前置きをしておりました内容を少しずつ掘り下げていこうと思います。
まずは生地の季節感についてです。
前回のブログで申し上げた通り、
上の2着ではブラウンのチェックのほうがより涼しく着用頂けるものです。
生地の季節感を決める要素は様々ございます。
素材や厚み(重さ)、織組織など生地を構成する要素はいろいろあり、
もちろんそれぞれに特徴があるので様々な要素が相まって着用感につながります。
今回はまず素材の部分を見ていきます。
先ほどのスーツの生地がこちらの2つ。
ブラウンチェックがロロピアーナのバンチブックから、
サマータイムのコレクション。
プルーの生地が弊社仕入れのアンジェリコのバーズアイ。
それぞれ構成する素材も表記されています。
ブルーの方はウール100%。
ウールいうと、もこもこと起毛したものを想像される方も多いと思いますが、
このようにつるっとした生地もウールで作られています。
スーツ生地としては最も代表的な素材です。
糸の紡ぎ方や羊毛の種類、織り方などで風合いは様々で、
夏向きのスーツ生地でもウールが一般的です。
また、ウールについても今後より深く掘り下げたいと思いますが、
保温性や伸縮性、吸湿力や復元力に優れた素材で通年としてスーツにはぴったりの素材です。
一方、ブラウンのチェックの生地は、、、
ウール71%、シルク15%、リネン14%と複数の素材で構成されています。
ウールは先ほど書いた通りですが、
シルクやリネンが混ざるとどうなるのでしょうか。
シルクというと艶々と強い光沢が最もイメージしやすいと思います。
それだけでなく、高い吸湿性放湿性を持つ非常に万能な植物繊維です。
繊維の特性上、繊維の間に空気を多く含むので外気の温度の影響を受けにくいこともあり、
夏は涼しく冬は暖かいと、なんだか凄く良さそうですね。
もちろん良いところばかりではありません。
細い繊維のため摩擦に弱かったり、水シミができやすかったりとやや繊細な部分も御座います。
そしてリネンですが、、私が大好きな素材です。
リネンというと麻と大きく括られることが多いですが、
麻の中でも亜麻という植物の茎の繊維です。
麻も調べるとすごく面白い素材ですが、長くなりすぎるので止めておきます。
リネンの特徴は吸水性発散性の高さによりサラッとした風合いですね。
しっかりとした丈夫な繊維でリネン100%の生地は硬くてサラッとしており、
夏にはぴったりの素材となります。
一方繊維の特性として変形から戻りづらい為、しわが付きやすいです。
好きな人間からするとリネンのしわは味わいがあり良いのですが、
ビジネスジーンなどにはあまり向かないですね。
複数の素材を混紡することにより、それぞれの悪い部分を補い合い、
良い部分を活かしあうことができるので様々なメーカーがいろいろな生地を展開しています。
こちらのブラウンチェックの生地もリネンの風合いもありながら、
ベースがウールなのでしわの戻りもよく、
ビジネスシーンにおいてもお召しいただきやすくなっています。
と、少し話はそれましたが、
素材だけを見るとリネンが混紡されたブラウンチェックの生地が
より夏に向けて織られた生地だとお分かりいただけるかと思います。
が、それだけでは判断できないのが生地の面白いところなのです。
次回も同じ生地で別の角度から比較をしてみたいと思います。
長い文章になりますが、お読みいただけると幸いです。
曽根