ウールマーチャントグループの中でも最大規模を誇る、
1947年にロンドンで設立された世界でもっとも古い高級服地商の一つである。
1960年代半ばにロンドンのゴールドスクエアから
スコットランドのピーブルスに本社を移したが、
オフィスとショールームは現在も格式の高さを残しており、
サヴイルローに在り続けている。
60年以上もの歴史と共に培われた豊富なコレクションは
今もホーランド&シェリー社において保管、管理されており、
歴史に裏付けられた企画力と商品力で新たなるコレクションを展開し、
高級服地マーケットをリードし続けている。
またそのコレクションには現存する希少なドブクロス織機による織物も含まれている。

99％のパタゴニア・メリノウールに少量ですが1%のカシミヤを混紡した糸で織り上げた340gmsの合冬スーツ地コレクションです。 色柄は英国調のコンサバティブのものが多いですが、全69色と多彩に取り揃えてあります。

250gmsのスーパー120ウーステッドと280gmsのスーパー13ウーステッドの無地物で構成された合物スーツ地コレクションです。 合物としては少し薄く感じる素材ですが、斬新な色柄は今までにない繊細なファンシーをコンセプトとしています。ロンドンで有名なトラファルガー広場からその名を貰いました。

840、795、750、560、420gmsの100%ウールと80％ウール&カシミヤの5品質で構成された厚手のコート地コレクションです。既製服も含め最近のコート地は軽量なものが主流でヘビー・ウェイトのものは敬遠されがちでしたが、伝統的な重厚でしっかりしたコート地も見直されてきています。 持つと重さを感じるが着ると軽い、そんなオーダーならではの仕立ての技術が活かされる素材です。

280gmsから560gmsまでの7品質のフランネルを集めたスーツ地コレクションです。無地物が中心ですが、16世紀に遡った様な古典的な色柄とミックス・ヤーンの特性を引き出した都会的な新色を取り揃えました。

100%カシミヤの280gmsの280gmsのファンシーな柄物と390gmsのカシミヤ・ホームスパンで構成された最高級冬物ジャケット地コレクションです。色調はライトブルーやオレンジ、パープル、レッド等、近年紳士ものの素材にも取り入れ始められた明るめなもので構成されています。

420gmsの100%ウールのジャケット地です。 クラッシュド・フィニッシュを用いソフトで暖かみのある表面感に仕上げてあります。 その名の通り18世紀後半のボー・ブランメルに代表されるダンディズムを表現した明るく都会的で斬新な色柄は、敢えて2〜3色と少ない色数だけの組み合わせにすることでコーディネートを容易にする工夫をしています。

90%スーパー100ウーステッドに10%カシミヤを混紡したミルド・タイプの320gms、95％のスーパー130ウーステッドに5%のカシミヤを混紡したマットフィニッシュ・タイプの260gms、100％スーパー100ウーステッドの310gmsのメッシュ素材の3品質から成る高級合冬ジャケット地コレクションです。

280gmsの100%ウーステッド、合物ジャケット地です。英国の代表的競馬場、アスコットの名を冠したこの素材は世代によって古めかしくも新しく感じる正に英国の伝統的な色柄だけを集めてあります。

英国を代表する冬のジャケット地、ハリス・ツィードのコレクションです。既製服に多用される軽量のものと違い470/500gmsと重厚なハリス・ツィードですので、ジャケットは勿論、コート地としても最適な素材です。

230gms、250gms、280gmsと３種の目付の１００％リネン、盛夏用ジャケット地コレクションです。5色だけですが100％コットンのヘリンボーンのサンクロスも加えてあります。「キーウエスト」とはアメリカ、フロリダ州にある合衆国本土最南端の島で、フロリダ半島からこの地に向かう国道US-1は島から島へと延々とサンゴ礁の海の上にかかるオーバーシーズ･ハイウェイと呼ばれ世界的にとても有名な景勝地です。このコレクションは無地、柄物共、キーウエストに代表される夏のリゾート地をイメージした明るい色柄を取り揃えてあり、デニムや白のパンツと合わせれば気分は直ぐに太陽が燦々と降り注ぐ海辺へと直行出来ます。リネンは皺になるので苦手という方も多いとは思いますが、本来はその皺が特徴である夏の定番素材ですので敢えてそのラフさを粋なお洒落として楽しんで頂けたらと思います。

260gmsのスーパー100ウーステッド、ハイツイストの軽量盛夏用スーツ地です。原毛は南アルゼンチンのパタゴニア地方で育てられたメノリ羊のもので、その気候の特性から強靱でハイツイストにとても適した羊毛で、湿度の調整機能が高い為夏のスーツ素材としてはとても優れています。ハイツイストの利点は肌触りの滑らかさと皺になりにくいことですが、皺になりにくい点を重視しすぎると厚手で重い服地になってしまいますし、軽量に織り上げすぎると耐久性が悪くなってしまいます。そこで縦糸は柔らかさを横糸は耐久性を重視した別々のよりをかけ、肌触りの良さと通気性が良くても皺になりにくく耐久性が劣らない服地に織り上げてあります。「ケープホーン」とは南米チリの最南端の岬で、かつては穀物や金、羊等の貿易品を運ぶ海運ルートの重要な拠点でした。原毛の原産地と歴史に敬意を込めてこの名前を用いました。

新開発した特殊なマイクロファイバー、「テクラナ」を使ったコレクションです。テクラナはその一本の糸が髪の毛の100分の１程という極細のウルトラ・マイクロファイバーという化学繊維で、最大の特徴は圧倒的に皺にならない点です。従来の化学繊維を使った皺にならない素材は太めのポリエステルの糸を多用するため、肌触りが硬すぎ不快感があり皺になりにくいとは言えてもならないとまでは言えない物でした。しかし、このテクラナは極細の繊維で表面に特殊な加工で微細な溝を持たせたため、圧倒的な復元力を持ちながらしなやかで柔らかく肌触りが良い上、温度と湿度の調節機能も天然のコットンより優れているのです。このテクラナを70％のスーパー120ウーステッドと混紡して230gmsのスーツ地とジャケット地を織り上げました。また、無地のみ13色ですが45％のリネンと40％のスーパー100ウーステッドと混紡した皺にならないリネン素材も加えました。ビジネス、トラベル・スーツとしては勿論、クールビズ対応のパンツやジャケット＆パンツのアンサンブル、スプリング・コートにと多岐に活用出来る機能性豊かな素材です。

280〜310gmsの100％ウーステッドと少し重めな春夏スーツ地です。2プライの糸で平織りした独特のシャリ感を持つ通気性と耐久性に優れた服地で、皺にとてもなりにくいためトラベル・スーツとして最適な素材です。ホーランド＆シェリーでは1996年から定番としている服地で、世界中で一番売れているといえる最もポピュラーでオーソドックスな春夏スーツ地です。服地自体は重めですが仕立て映えは素晴らしく、着ると軽く感じる機能性に優れた素材です。

CRISPAIREの服地に「アクアレット」という特殊な撥水、防汚加工を施したゴルフ・パンツ用の服地です。ジャケットは勿論、無地はスーツにも活用頂けます。280〜310gmsと重めな感じはしますが、その撥水と防汚機能と耐久性の良さが春、秋のゴルフ・パンツに最適な素材です。柄物はビビットなものが多いですが、アウトドア・スポーツの中でもゴルフはクラブハウスでのシーンも絡む独特なものだけに少しファンシーな洒落感も必要との思いでコレクションが組まれています。

17.5マイクロンのスーパー120ウーステッドの糸で織った265gmsと18.5マイクロンのスーパー100ウーステッドの糸で織った310gmsの合物スーツ地です。「スノーイーリバー」とはオーストラリア南東部の地名で19世紀初めに英国からの入植者が最初にメリノ羊の牧場を始めたエリアです。みずみずしい牧草が豊富で寒暖差の大きい気候が上質な羊毛を持つメリノ羊の生育に最適な環境です。ここで育てられたメリノ羊の羊毛はハーブを多く含む牧草と冬季の厳しい自然環境の影響で独特の特徴を持っています。平均的なメリノ羊の羊毛と比べ縮れが綿密で毛足が長くその色も限りなく純白に近いものなので、温度と湿度の調節機能が高く染色の薬品加工工程がとても少なくてすみウール本来の特性をありのままに近い状態で引き出すことが出来るのです。染め上げた糸も発色がとても綺麗で毛足の長い羊毛は柔らかでしなやかな糸に紡げる為、織り上がる服地は独特の光沢と優しい肌触りを持っています。

200gmsと軽量のスーパー160ウーステッド平織りの盛夏用スーツ地です。原毛自体に「アクアレット」という特殊な撥水、防汚加工を施してありますので日本の梅雨時にも安心して着て頂けるスーツ地です。特に防汚機能は高く赤ワインやジュース類のシミも残らないほど優れています。織り上がった服地に表面加工を施したものと違い、糸自体に加工してありますのでスーパー160のドレープ性や肌触りの柔らかさは失われておらず、耐久性もとても良い服地です。「ドラゴンフライ」とはトンボを意味しますが、その羽根の様にしなやかな素材で、先染めの色糸の繊細な発色は嫌みのない光沢感を表現しています。

250gmsの85%ウーステッドと15%シルク混紡、230gmsと275gmsの100%ウーステッド、250gmsの100%シルクを集めた春物ジャケット地コレクションです。色柄もまだ冬の名残がある初春から薫風香る5月、そして陽射しが夏の強さに変わり始める梅雨入り前までをイメージして多彩に取り揃えてあります。「ノッティングヒル」とはロンドン西部のエリアで、洗練されたブティックやレストランが多数存在する高級住宅です。毎週末に開かれるアンティークの蚤の市や毎年8月に開催されるカーニバルは有名で多くの観光客で賑わいます。このエリアに集まる洗練された人々とカーニバルのイメージをジャケット地のデザインに表現してみました。

230gmsの100%スーパー130ウーステッド、200gmsの48%シルク、20%リネン、32%ウーステッド混紡230gmsの35%シルク、25%リネン、40%ウーステッド混230gmsの54%シルクと46%スーパー130ウーステッド混紡の4品質を集めた春夏ジャケット地コレクションです。「クリスタル・スプリングス」とは水晶の泉を意味します。メリノ羊の新たな故郷ともいえるオーストラリアの山岳地方には多くの美しい泉や滝があり、その澄んだ水はまるで水晶の様に周りの四季折々の多彩な自然の色を映し出し幻想的な色彩を見せてくれます。このジャケット地コレクションはそんな自然の色彩を服地に表現したものです。