みんな面倒なスーツのお手入れ(後編)【福岡天神店】
さて前回の続きということで、ブラッシングまでお伝えしました。
次はシワ伸ばし。
シワ伸ばしはスチームを当てるのがやはり一番いいです。
(間違ってもアイロンはやめた方がいいです。たとえあて布をしてもです。
熱で生地がかなり傷みますしスーツの形もべちゃっとしてしまいます。)
スチームはすこし距離を離して撫でるようにあてるのがオススメです。
が、スチームはお持ちでない方も多いと思いますのでそんな時は
お風呂から上がった時に湿気がある状態でスーツをそこに吊るします。
同時にお風呂を喚起してある程度換気出来たら、風通しのいい日陰に1~2日干すとシワも伸びます。
着用頻度を3日に一回というのもこれが理由です。
ウールというのは呼吸をする生地です。
埃を落とし水分を吸い風に当たることで、生地が呼吸をしてふわっとなり本来の光沢や肌触りが復活します。
なので是非この手順で普段の手入れをしましょう。
これだけで何年もいい状態で着用することができます。
(普通のスーツ生地では10年とかいけますが、ツイードのような硬く強い生地だと30年40年と着用できます。
ツイードの本場スコットランドでは親子孫まで3代にわたって同じツイードのスーツやコートを受け継いでいるくらいです。)
最後にクリーニングについてです。
クリーニングは年に一度で十分です。
頻繁に着用される方でも半年に一回の年二回です。
本当に何かあるときにしか着られない方は2.3年に一回です。
よく三か月に一回出される方や一か月に一回出される方、たまにしか着ないから一回着て毎回出す方
いらっしゃいますが多いです。
クリーニングで使われる溶剤がそもそも生地に悪いですので痛みが早くなる原因になりますし、水分が飛ぶので
べたつきも出てきます。
普段のお手入れをしっかりやっていれば何か特別な汚れがついた時だけクリーニングに出すくらいでもいいです。
そしてクリーニングから戻ってきたらビニール袋からすぐ出して風通しのいい場所に保管して1~2日たって
そのシーズン着ないのであれば、たんすに入れて防虫剤をいれておけば大丈夫です。
(ビニール袋から出すのはクリーニングの溶剤がスーツの中で固まるからです。)
スーツのケアはだいたいこんなところです。
適切にお手入れしていけば10年以上着用できるケースも結構ありますので、
面倒ですがやっていきましょう。
江﨑