ジャケットの話 ベント編【名古屋広小路通り店】
こんにちは。
本日2回目の鈴木(晴)です。
先程はアームホールの話でしたが、今回はベントのお話です!
一般的にスーツにはジャケット背面に切れ目があります。
スーツとは元々、切れ目のないノーベントでした。
その名残で、現代でも礼服はノーベントが一般的です。
紳士服が着られるようになって200年余り、様々な経緯を経て現在の形になりました。
そのいくつかをご紹介します!
ベントと呼ばれる切れ目は大きく分けて
・センターベント
・サイドベンツ
の2種類があります。
センターベント
貴族たちが乗馬をする際に、ジャケットの裾が邪魔で窮屈だったことから真ん中に切れ目を入れて機動性を確保したのが起源と言われています。
現代では、既製服のほとんどがこのセンターベントで作られており、細見のスーツや丈の短いイタリア系のスーツによく合います。
サイドベンツ
腰にサーベルを携える際、裾が持ち上がってしまうためにサイドに切れ込みを入れて剣の通り道を作り、美しいシルエットを保ったと言われています。
現代では、裾が美しく広がりウエストをシェイプすることで砂時計のようなシルエットになることから、イギリス系のスーツによく選ばれます。
また、ダブルブレストのスーツも基本的にはこのサイドベンツであることがほどんどです。
番外編
フックベント
センターベントの亜種で、ベントの上部がカギ型(フック)のように折れ曲がったデザインです。
スーツで用いられることはあまりなく、モーニングコートに使用されることが多いです。
イギリス、イタリア、それぞれの国のスタイルによく用いられると記載しましたが、もちろんどちらで仕立ててもおかしくはございません!
一度ご検討ください!
名古屋広小路通り店 鈴木(晴)