シャツの話 カフス編【名古屋広小路通り店】
こんにちは。
鈴木(晴)です。
前回に引き続きシャツのお話です。
今回は主に袖先のデザインについてです。
ジャケットを着た時、袖口を彩るシャツ。
スーツスタイルにおいて数少ない装飾を許された箇所です。
ふと手を伸ばした時など、かすかに覗くシャツにこだわってみませんか?
グローバルスタイルで選べる袖口のデザインをご紹介します!
シングルカフス(小丸)
折り返しのないカフスで、ボタンで留める最もベーシックな袖口です。
既製品の8割ほどはこの形です。
カッタウェイカフス(角切)
角を斜めにカットした形が特徴のシングルカフスです。
その形から『カットオフ』または角落型とも。呼ばれています。
すっきりとしたシャープなデザインはドレッシー向きに思われることが多いですが、シングルカフスに比べるとスポーティなデザインです。
既製品の残りはこの形がほとんどです。
ラウンドカフス(大丸)
シングルカフスとほぼ同じ形です。
シングルカフスに比べて手首で止まる位置が下に下がります。
スクエアカフス(直角)
オーソドックスでシンプルなカフスです。
場所を選ば着用出来ます。
柔らかい感じもせず、堅すぎず、きちんとしたい時にはスクエアカフスがお勧めです。
ツインカッタウェイカフス(ツインバレル角切)
手首にしっかりとフィットするよう袖口をしっかりと留められます。
イタリアメイドのシャツに用いられることが多くエレガントさを演出できる形です。
ターンナップカフス
ドレッシーでエレガントなカフスです。
ターナップは折り返すの意味で、肘の方向へ折り返したカフスのことをいいます。
ダブルカフスの一種ですが、ミラノカフスとも、ターンバックカフスとも呼ばています。
007でジェームズ・ボンドが着用したことで有名です。
ダブルカフス(ラウンド)
袖口を折り返して二重にしたカフスです。
ふんわり折り返して、カフリンクスで留めるスタイルは、装飾性が高く人気のデザインです。
ラウンドではなく、直角のデザインのものもあります。
別名フレンチカフスと呼ばれ、カフスリンクスを必要とするフォーマル向きのデザインです。
ターンナップカフスなどは、カフリンクス無しでエレガントさを演出できるので、おススメです!
スーツやシャツで、何をこだわればいいのかわからない方もいるかと思いますので私のシャツのこだわりも少しだけご紹介します。
皆さまは剣ボロという部分をご存じでしょうか。
(写真右の生地が重なっている部分)
通常この部分は無駄に開かないようにボタンがついているものです。
しかし、私はこのボタンを留めないです。
もしくはついていないシャツを着ています。
その理由としてはまず、既製服とオーダーでサイズ感が異なってくるという話から始めなければなりません。
オーダーシャツは既製品のシャツに比べて袖が長めです。
既製品では腕を降ろしたときにちょうどいい長さになるようにしますが、オーダーでは肘を曲げた際に袖が手首の骨にかかる程度の長さにします。
もちろん腕を降ろしたらだらしなく手を覆うくらいの長さですが、オーダーであればカフスを手首のサイズぴったりにするのでいくら長くとも手首で止まります。
その際に前腕部にできる1クッション程度のゆとりが美しいとされています。
剣ボロの釦を留めていると、この美しいゆとりがきれいに出ないのです。
そういった理由から、私は剣ボロは開けっ放しにしてシャツを着用しています。
イギリスやイタリアなどでは、そもそも釦が付いていないものも多いそうです。
ちなみに、大層なことを書いていますが例えば
「白シャツしか着ない!」
というのも立派なこだわりです。
大げさに考えず、シャツを買うときに絶対条件として挙げるもの、それがこだわりです。
何となくでも構いません。何かをこだわる事に他人の理解やバックボーンの有無は必要ないのです。
名古屋広小路通り店 鈴木(晴)