『アリストン(ARISTON)』ナポリの粋を体現する生地【立川高島屋S.C.店】
こんにちは!立川髙島屋S.C店の保手濱です。
皆様は“イタリア”と聞くと、美味しい料理やフランスと並ぶ「オシャレさん」というファッションへの大まかなイメージがあると思われます。しかしながら、縦に長いイタリアは大まかに首都ローマを境に南北では文化が全く異なります!
https://www.travel-zentech.jp/world/infomation/q012_map_italy.htm
南部はイタリア半島において地中海をぐるりと囲まれた亜熱帯地域に属します。代表料理パスタの消費量も北部より多く、国旗と同じバジル・モッツァレラ・トマトの三食を用いたマルゲリータピッツァといい、日頃から私たちが親しんでいるイタリア食文化は南部出身なのですね。人々も陽気でお話が大好き!
他方、スイスのアルプス山脈に近い北部は冬の寒さと湿度の高さが特徴で、酪農と稲作が盛んに行われています。代表的なミラノは商業・工業・金融を取り扱う国際都市であり、人々も英国ほどではありませんが保守的な傾向があります。食文化とは逆に、日本にとってイタリア・ファッションへの印象としては北部寄りと言えるでしょう。
スーツの仕立て方からしても、その違いが窺えます!
-『王様の仕立て屋~サルト・フィニート~(4)』より ©大河原遁/集英社
さて、ここからが本題ですが、多くの“イタリア産”のスーツ生地はイタリア北西部に位置する“生地の聖地”と名高いビエラ地方から輩出されています。
ですが、今回のご紹介する生地『アリストン(ARISTON)』は南部イタリア最大の都市であるナポリで誕生しました。
1920年、アリストンの服地商社であるインパラート社がフェルディナンド・インパラート(Ferdinando Imparato)によって興されました。彼はイギリスの高級織物をイタリアに最初に輸入した人物であり、家族経営を相伝しながら100年以上の歴史があります。
なお、現在で用いられている『クラシコ・イタリア(Classico Italia)協会*』 を創設した一人が、他ならぬアリストンなのです!欧州、並びにファッション界では南部イタリア屈指の服地商社として名が知られています。
*1986年、フィレンツェにおいて職人技を基本としたスーツ、シャツ、ネクタイのサルト(仕立て屋)が集まって創設。当時は「デザイナーズブランドの一生産拠点」という認識だったイタリアファッション界が独創的なエレガンスを提唱したことで、後に世界的な代名詞として使用されるようになった。
上述した様に南部イタリアの陽気さや遊び心は歴史や料理にも表れていますが、服地によって体現するにおいては唯一無二。無地からチェック柄まで、一目見れば理解できるほどに他の追随を許さない独自の色彩を生み出していることがアリストンの特筆性です。
当店はゼニアやロロ・ピアーナといった、北部イタリアの著名なブランド生地を数多く揃えておりますが、実際に比較すると好対照な差異が感じられると思います!
惜しむらくは、上述した通り日本での知名度がそこそこな為に在庫数がいささか限られること……
「卓越したセンスと併せて、他の人と被らないものが欲しい!」
「粋な装いを新たにしたい!」
そんな方に、一度はお目にかかっていただきたい生地です!
立川高島屋S.C店
保手濱