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最悪で最強の親子刑事 -ビターブラッド-【名古屋広小路通り店】

2024.09.27 GINZAグローバルスタイル・コンフォート名古屋広小路通り店
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こんにちは。

 

鈴木(晴)です。

 

2014年に放送されたビターブラッドというドラマをご存じですか?

 

刑事課に配属された主人公の佐原夏輝が偶然、幼少期に離婚した父親の島尾 明村と再会してバディを組むというストーリーです。

 

幻冬舎から出ている小説が原作なのですが、ドラマ版とかなり違います。

原作はかなりシリアスな推理物ですが、ドラマはそもそもストーリーが大きく違い全体的にコミカルな作風になっています。

 

登場人物も大きく違っており、主人公の父親の島尾 明村(以下ジェントル)は子煩悩で親バカだったのが、ドラマでは素直になれずおどけたキャラクターとなっていました。

そこまで重くなり過ぎずだったのでいい改変だったと思います。

 

さて、今回はそんなビター・ブラッドの主人公佐原夏輝(以下ジュニア)のスーツです。

なぜ今更このドラマを上げるのかと思うかもしれません。

 

先日部屋を片付けていたらDVDが出てきたというのが一つ。

そして主人公の父ジェントルはスーツ、というよりジャケットに並々ならぬ拘りを持っており、作中では英國屋で仕立てていることが示唆されていて度々スーツについて言及されていました。

 

見返してみると中々かっこいいスーツのデザインだったのでご紹介します。

 

 

(引用:https://fod.fujitv.co.jp/title/4573/

 

物語序盤、交番勤務の制服警官から刑事課に配属されるところから始まります。

序盤に着ていたグレーのスーツはおそらく入学式などで着ていた量販店のスーツかと思います。

 

その後ジャケットをとある事情で失い、しっかりとしたスーツを着るようにジェントルに指導されます。

ご紹介するのは1話ラストから登場したしっかりとした方のスーツです。

 

まず生地ブランドですが見返しをめくるシーンはあっても生地ネームは見えませんでしたので使用されたのはどこの生地かを考えます。

目に見える情報は黒無地でかなり艶感があるという事だけです。

 

定番すぎて絞りきれないので、ほかの情報がないか探します。

まずジュニアのスーツは父親のジェントルから送られたものです。

 

小説版では捜査の途中で店舗に寄って採寸をするシーンがあり、見返しに独自の機能を付けているので間違いなくフルオーダーなのですが、ドラマではいきなり完成したスーツが渡されます。

第一話のコンビを組んだシーンで襟首を掴んで首のタグらしき箇所を見るシーンがあります。

そこでサイズを見て既成品を買った可能性はありますが、後述する金額面を考えるとフルオーダーだと思います。

 

作中でジュニアはジェントルから英國屋を紹介されて既製品を見に行きますが、金額を見て断念します。

大体8.5万くらいでした。

(ジャケット単品っぽかったので上下で15万ほど)

 

そして主人公には妹がいるのですが、大学の入学祝いにルイヴィトンの財布とバッグを買ってもらってました。

兄妹で価格の差はあまりつけないと思うので、そこからどこの生地を使用したかある程度予想できます。

 

財布は10万前後、バッグは最低でも25万はするので大体40万ほどです。

10年前で物価の違いがあるとしても5万ほど安い程度でしょう。

 

なので30~40万を上限として考えます。

 

刑事という仕事と考えて動きやすさである程度ストレッチが効いている生地に絞って英國屋のHPを見ると

 

・カノニコ 25万

・ドラゴ  30万

・ドーメル 35万

 

この辺りになりそうです。

ただ、おそらくHPに載っていない生地もある程度取り扱いがあるのではないかと予想します。

例えばゼニアやホーランドシェリーなどは取り扱っていない仕立て屋を探す方が難しいです。

 

あの艶感と柔らかさ、ストレッチ、価格を成立させるにはチェルッティ辺りがそれらしいなと思いました。

チェルッティと言えばゼニア、ロロピアーナに並んでイタリアを代表する伝統ある生地ブランドですが「Prestige 130’s」というシリーズが比較的安価で前述の条件に当てはまります。

 

また、裏地は赤、ベージュが混ざったかなり派手な柄物の裏地です。

グローバルスタイルに用意がある裏地で近いものを見つけました。

 

 

裏地がこんなに派手でいいのかと思うかもしれませんが、スーツの本場英国では意外にも裏地を派手にすることが多いそうです。

逆に派手なイメージのあるイタリアはシンプルなものにするそうで、裏地に関してはイメージと真逆をいっています。

 

 

 

スーツを受け取った際、ジュニアはスーツの存在を知らなかったためジェントルが完全に内緒で進めていたものだとわかります。

 

そもそも本人に感知されることなく採寸経験のない人間のフルオーダースーツが作れるかという疑問です。

 

スーツにはサイズが細かく区分されており例えば「Y5」「A5」などです。

 

量販店では主にこの表記になっていることが多く後ろの数値は身長、アルファベットは体型を表しています。

Yであればバストとウエストの差が16cm、Aは差が12cm、YAはその間なので14cmの差があるという意味です。

 

そこから逆算してバスト、ウエストのヌード寸(実際の体の数値)を予想して仕立てたということになります。

そんなことが可能なのかと思うかもしれませんが、標準体型なら可能です。

 

基本的にバスト、ウエスト、ヒップ、身長の4つがあればある程度サイズを合わせたスーツを作れます。

勿論腕の長さや腰の高さは個人差があるのであくまでも標準体型ならです。

 

ジェントルはもちろんフルオーダーですから、スーツサイズが適正かどうかは仮縫いなどでフィッターと散々話していると思うので、最初に着ていたグレーのスーツが適正か否かは判断できるでしょう。

 

また、残りのヒップサイズはバストと同じか少し大きいくらいの人がほとんどの為、よっぽど鍛えていたりサッカーなどをやっていなければ予想はできます。

既製品のスーツであれば、ジャケットとヒップはセットでしか買えないので履いているスラックスのサイズ感を見ればさらに予想しやすいです。

 

その情報を伝えて、調整前提で型紙通りの寸法で作ってもらったというような感じだと思います。

店側の人間としてはあまり受けたくない案件ですが、そこはジェントルと店の信頼関係あってのものだと思います。

 

なんとか整合性をとるために無理やり予想してみました。

実際は衣装合わせ時に何度も仮縫いをして合わせているとは思います。

 

当時このドラマを見ていつか、黒無地に派手な裏地をつけたスーツを仕立ててみたいと思ったものです。

 

 

名古屋広小路通り店 鈴木(晴)

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