スタイリストブログ

オーダースーツの話【横浜スカイビル店】

2024.10.06 MARUNOUCHIグローバルスタイル 横浜スカイビル店
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こんばんは。

 

10月になってから天気がパッとしない日が多いですね。

来週も雨の日が多いようで。

連休をとって計画していた予定も変更になりそうです。

雨は雨ならではの楽しみ方をしていきたいですね。

 

 

週末は同タイトルでスーツについてのお話をこってりとさせて頂いております。

どれだけの方にお読みいただけているかわかりませんが、引き続きお付き合い頂けますと幸いでございます。

 

前回は主に作業工程における違いをお話しいたしました。

縫製工程、クセ取り、資材など多くの部分で手間のかけ方には違いが御座います。

様々な部分における手間の違いにより、製品の作りやコスト、納期が変わって当然ということでした。

 

前回挙げた以外の部分でも大きな違いが御座います。

 

特にわかりやすい部分ですと型紙の違いは非常に大きいです。

洋服の設計図となる型紙。その精度で洋服としてクオリティ、見た目や着心地は大きく異なります。

 

 

 

フルオーダーではカッター(フィッター)が採寸したデータを基に0から型紙が起こされます。

肩の傾斜や各所の前後バランス、筋肉の付き方など身体の特徴は人によって様々です。

フルオーダーでは単純な幅や長さだけでなくそのような細部にわたってお客様に合わせた型紙を作る為、

左右で傾斜の差をつける、足の筋肉の付き方によってバランスを変えるなど自在に体に合わせていくことができます。

 

自由自在になんでも型紙を作っていける事は間違いないですが、勿論お店毎に思想やスタイルが御座います。

一般的に「ハウススタイル」といわれるようなお店の得意とする方向性はそれぞれ異なってきます。

フィット感やシルエットに対する考え方の現れでもあるハウススタイルですので、自身が好む物がそのお店にマッチしているのかという部分は非常に重要になってきます。

 

我々パターンオーダーに従事している者は技術者ではない為、型紙引くことは全くできませんのでより詳しい部分は正直な所わからない部分が非常に多いです。

スーツを縫う職人でも型紙は非常に難しいようで、ヨーロッパなどではスーツの仕立て屋は基本的に分業であり、型紙を引くカッターになるまでには縫製の経験など長い時間を経てようやく携われるようになるという話はよく聞きます。

それほど技術や知識のいる作業であり、その結集となる型紙ですのでその完成度は非常に高くなります。

 

 

 

 

一方パターンオーダーではお店や工場独自のベースの型紙が存在します。

マスターパターンといわれるベースを基に各サイズに合わせて型紙を展開し基準となるベースパターンが作られます。

店舗で採寸をする際に着用するゲージ服が正にベースパターンです。

既存の型紙から各所の幅や長さをお客様に合わせて指定していく物が一般的なパターンオーダーとなります。

 

お店によって調整できる箇所や幅は違いがございますがあくまでもベースパターンから違和感の出ない範疇での指定となることが大半です。

また、立体的な部分や傾斜、前後差などは変更することが難しい場合が多く、厳密に考えると完全に身体に合わせるというのは難しいのが現実です。

もちろん型紙の精度や身体への相性についてはお店に依ってそれぞれ異なる為、パターンオーダーではそれぞれの型紙がより体型にあっているのかという点が非常に重要な要素となります。

グローバルスタイルでスーツをお仕立て頂いたことのあるお客様ですと、採寸の際に複数のパターンをご着用、比較頂いた覚えがあると思います。弊社では複数のパターンをご用意しており、それぞれ身体への相性は異なります。

弊社のように同じお店でもパターンによる違いが出てくる場合も多くございます。

 

パターンオーダーでお仕立てをされる際は実際にゲージ服を着用していただき、ご自身の身体にあっているのか、着心地が良いかを比較し吟味することがとても大切です。

 

 

 

このような話をするとフルオーダーがパターンオーダーより優れており、パターンオーダーは今一つという風に聞こえてしまう方もいらっしゃるかと思います。

前回までのお話も含めスーツというプロダクトにおいて、その完成度という点では確かにフルオーダーの方が優れたものになる場合が多いのは間違いのない事実にはなるかと存じます。

 

しかしながら、そこにかかるコストや納期を考えるとそこまでの物が万人に求められるのかという点には疑問もあるかと存じます。

私自身もスーツのフルオーダーは経験がない為大きなことは言えませんが、フルオーダーをメインとしているテーラーにてMTM(パターンオーダーとほぼ同義)のスーツを仕立てた経験が2度ほど御座います。

間違いなくいずれも素晴らしい着心地、シルエットのスーツで非常に感動しました。

同じパターンオーダーでも技術者による手が加わったものはこうも違いがあるのかと驚きました。

 

一方で日常的に着るスーツに対してかけるコストとしては非常に大きくなってしまい、ある程度の数を揃えるにはかなりの経済的余裕が必要であるとも感じました。

同時に普段着用しているスーツの着心地の良さも実感することができ、より自信を持つこともできました。

手前味噌ですが弊社のカイザーモデルは特に金額に対する着心地やクオリティは非常に高いと強く実感しております。

 

 

 

単純な物の良さだけでなくコストや手元に届くまでの時間、購入の容易さ等様々な要素を相対的に考えるとパターンオーダーは多くの方にとって満足度の高い製品なのかと存じます。

何事もどこまで拘るかは人それぞれです。自分に合ったものを手に出来るよう様々な話を聞き、経験をすることはとても大事なことなのかと存じます。

 

 

より詳しい方や技術者の方からすると稚拙な部分やあまり上手くまとめることができていない部分もあるかと存じますが、少しでもご覧いただいた皆様にとって有益な情報をお伝えできていれば幸いで御座います。

 

今回もお付き合いいただき誠にありがとうございました。

 

MARUNOUCHIグローバルスタイル 横浜スカイビル店

曽根

 

 

 

 

 

 

 

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