スタイリストブログ

僕にとってこれは、素晴らしい友情の終わりだ。 -TENET-【名古屋広小路通り店】

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2024.11.26 
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こんにちは。

 

 

鈴木(晴)です。

 

 

映画紹介ですが、最近忙しくて帰る時間が遅いです。

帰ってご飯を食べるとすぐに寝る生活なので新しい映画も見れていません。

 

開店前に生地を整理しているときれいな生地を見つけまして、どこかで見たことがあると思い返してみるとTENETでした。

以前一度紹介したことがありますが、そちらは典型的なブリティッシュスーツでした。

 

今回のブログの主役ニールというキャラクターはイタリアンスタイルを好んで着用しているのが見受けられます。

これからの時期にぴったりな着こなしですので、ご紹介します。

 

(引用:https://x.com/TENETJP/status/1312588251878682630/photo/1

 

 

TENETとは

 

『現在から未来に進む“時間のルール”から脱出する』というミッションを課せられた主人公が、第3次世界大戦に伴う人類滅亡の危機に立ち向かう姿を描くというストーリーです。

 

ニールは主人公「名もなき男」に協力する謎の男として登場します。

本作の指揮を執ったクリストファー・ノーラン監督曰く、「ニール」という名前は本名ではない可能性があるとのことです。

 

※ちなみに主人公の名前は明かされておらず、原語版では「プロタゴニスト(主人公)」というクレジットになっています。

 

 

作中、ニールは様々服装を着こなします。

上記のスーツは空港のフリーポート(特定区域において、課税されずに外国貨物の移動が出来る)に利用客として潜入した際のシーンです。

フリーポートを利用するのは世界中の資産家、投資家のためそれなりの服装をしなければなりません。

 

欧州では公的なシーンで着用する服はすべて社会的身分を示すものです。

職員に舐められれば雑な対応されかねないということです。

 

 

デザイン

 

・ナチュラルショルダー

・ゴージライン高め

・ダブルブレスト

・襟巾はやや狭め

・胸ポケットはバルカポケット

・袖釦は4つ釦で重ね

・腰ポケットは平行フラップなし(仕舞っているだけの可能性)

・トラウザーズのプリーツはなし

・トラウザーズシルエットはストレート

・裾口はシングル

 

 

動きが多く、暗いシーンだったのでプリーツについては怪しいです。

空港襲撃の後にホテルの一室?らしき所でジャケットを脱いで座っているシーンがあり、そこを見る限りプリーツが無いように見えます。

ただその代わりに太ももは張っていなかったので、渡り(太もも)を大きめに設定して可動域を広げているのだと思います。

 

スーツの柄は織柄がありややカジュアルな印象を受けますが、グレーにしていることで派手な印象はありいません。

 

シャツはストライプ柄のクレリックシャツでビジネスの雰囲気を醸し出しています。

 

 

サイズ感

 

全体的にやや細めだと思います。

腕を上げたり少し動いた際に背中側が少し持ち上がって皺が付いていました。

とはいっても極端に細いわけではありません。

着丈や股下丈を長めに設定しているので、それほど時代やトレンド感を出さずにすっきりとした印象を与えます。

 

 

 

また、街中で計画について話し合うシーンではフロントにダーツの入らないフィレンツェ仕立てに力の抜き方が見えるナチュラルショルダー。

しっかりとスーツを着ている名も無き男の隣を歩くにはややカジュアルすぎると思ったのか、ショールカラーの一つ釦、腰ポケットのフラップを仕舞って(ついていない?)バランスをとっています。

シャツに至っては芯地の入っていないダブルカフスでカフリンクスすら付けないカジュアルっぷりです。

 

それでは首元が寒々しく寂しいと感じたのかストールを巻いてネクタイの代わりにするという着こなし。

 

(引用:https://theriver.jp/tenet-neil-suits/

 

 

 

オスロ空港があるのはノルウェー(スカンジナビア半島という北欧)でかなり寒いです。

上記の街のシーンをみても、少なくとも夏ではありません。

秋~冬のような雰囲気があります。

 

 

 

グローバルスタイルの生地で雰囲気が近かったものが3つあったので紹介します。

 

①スキャバル

 

 

一着 ¥118,000

コンビ ¥70,000

 

英国らしいハリといやらしさを感じないエレガントなツヤが特徴の生地です。

目付320gと英国の冬生地にしては比較的軽めですが、実際に持ってみるとそれ以上にずっしりとした重量感が心地よく、仕立映えする生地です。

イタリア、特にナポリの職人はこのような英国生地を好むと聞きます。

雰囲気は重厚感が出ますが、資産家としての演出と思えば相性はいいと思います。

 

 

②ルイージ・コロンボ

 

 

一着 ¥83,000

コンビ ¥51,000

 

ルイージ・コロンボはウールとカシミヤのみを扱うブランドです。

生地ブランドとしては、扱う素材を限定するのは珍しいですが、さすがウールであっても柔らかさと軽さが心地よい生地です。

見た目でいえば一番近い生地です。

 

 

③ピアチェンツァ

 

 

一着 ¥98,000

コンビ ¥54,000

 

ピアチェンツァは高級獣毛の品質において他の追随を許さないほどのクオリティを誇ります。

このブランドのカシミヤは世界最高峰と言われており、スーツよりもコートの生地ブランドとしての方が有名かもしれません。

この生地はウール93%、シルク2%、カシミヤ5%の三者混です。

そのため軽さの割にしっとりとしたツヤ、柔らかさ、耐久が得られる生地です。

 

 

実はこの3種類の中で私のイチオシは③のピアチェンツァです。

この中で唯一画像とそもそもの色味が異なるネイビー系ですが、不思議と表情が一番近いように思えます。

申し上げたように持った感覚はとても軽いのですが、目付は意外と320gと重たいです。

 

 

是非、遊び心のあるスーツをご入用の際は参考にしてください。

 

 

名古屋広小路通り店 鈴木(晴)

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