こんにちは。
鈴木(晴)です。
今の時期、結婚式の参列でスーツを作る方が多いですが、その着こなしについて知っている方は少ないように思います。
オーダースーツの業界人でも、平気で誤ったルールを紹介している人もいます。
前職では結婚式のカメラマンをやっていましたので様々なスーツを見てきました。
その経験も踏まえて今回は結婚式参列の際の着こなしについて紹介します。
結婚式の参列にふさわしい着こなしとは
まずは始めに伝えるのは、結婚式の主役は新郎新婦であり参列者は脇役だということです。
大切な友人、家族の門出に目一杯着飾って祝いたい気持ちはわかりますが、ここはファッションショーではありません。
それを念頭に置いてからお読みください。
結婚式の服装は一言で言うならば、無難なダークスーツです。
色はネイビーかグレーの無地、サイズはきつくも緩くもないジャストサイズ。
所謂クラシックと呼ばれるサイズ感です。
近年流行っていたパツパツで足の形がもろに出るほど細い今にも破けそうなスーツはみっともないですし、緩すぎるのも同様です。
身体に合うスーツというのは、体にぴったりと沿うものではありません。
動きを阻害せず、シルエットを美しく見せるのが身体にあったスーツと言えます。
着てはいけない色柄
近年カジュアル化が進み、昔ほどカッチリとしなくても問題ないと言われるようになってきています。
無地のみがOKとされていましたが、最近は落ち着いたチェック柄ならば問題ないと言われています。
カジュアルであることには変わりないので、友人や親戚のような間柄のみにすると良いです。
仕事関係などはプライベートでかなり仲がいいという事でなければ控えるのをお勧めします。
ストライプ柄は現在でもNGです。
シャドーストライプならヘリンボーンならと食い下がる人もいますが、だめです。
そして色についても注意が必要です。
皆様ご存じかと思いますが、結婚式においてスーツの白を纏うことが許されるのは新郎新婦だけです。
フォーマルの世界において標準は黒 or グレーなので、参列者はそれに則ってスタイリングします。
それ故に白やそれに近い色味であるライトグレーやベージュもNGとされています。
見てきた中ではしっかりとした着こなしもあれば、ガンジーが助走をつけて殴るレベルで酷いものもあります。
例えば参列でライトベージュ、尻の形がわかるほどパツパツなスラックスにくるぶしがすべて露出するほど短い丈でフットカバー(素足に見えるほど短い靴下)、ジャケットの着丈もお尻が丸出しと大変みっともない着方でした。
さらに、これがマシかと思えるほどが一度だけありました。
真っ白なスーツに黒のシャツ、白のネクタイを合わせたマフィアのような着こなしでした。
さすがに式場スタッフに止められていましたが……。
これは極端な例ですが、すべて実話です。
畏まったスーツを着る機会は大抵、自分もしくは他者が主催した会合なので必ず周囲の目があり、不快にさせないよう配慮しなければいけません。
マナーとは他者を不快にさせないだけでなく、適切なシーンで適切な役割を発揮させるための決まりです。
結婚式の場合、主役である新郎新婦よりも目立つ色柄を脇役である参列者が着るのはあってはいけません。
地味なダークトーンの中に白が一点だけあるからこそ映えるのです。
新郎新婦と話して許可を得ているからと食い下がる人もいますが、他の参列者が新郎新婦とそんなやり取りをしているなど知る由もありませんので関係ありません。
適切な着こなしが出来ないと、本人ではなく教育した保護者と招待した他者が恥をかきます。
参列者のマナーが悪く、そこで縁が切れてしまったという人も少なくありません。
誰かにとっての一生に一度を台無しにしないために、基本に忠実にいきましょう。
鈴木(晴)