こんにちは。
鈴木(晴)です。
今回は私が入社以来ずっと探していたグレンチェック柄をようやく見つけたのでご紹介します。
グレンチェック(グレン・プレード)とは
グループドストライプという複数本のストライプがまとまった柄を縦横に走らせた格子柄のことです。
格子部分はハウンドトゥース(千鳥柄)になっているのが特徴です。
正式名称を『グレナカート・チェック』と言います。
その起源は14世紀頃、シーフィールド伯爵夫人(キャロライン・スチュアート)がこの柄を始めて使用したことからその名前が付いたと言われています。
当時、シーフィールド伯爵夫人が一年の多くを過ごしたのが「グレン・アーカート」という峡谷です。
アーカードは土地の名前、英国西部から北部で使用されていたゲール語で谷を意味するグレンと合わさった「グレン・アーカート」が変化して現在の『グレナカート』になりました。
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Caroline_Stuart,_Countess_of_Seafield)
クラシックな英国調のデザインが好まれており、著名人ではエドワード8世、俳優のケーリー・グラント等が挙げられます。
特にエドワード8世が当時愛用していた、グレンチェックの中心に暗青色のウィンドウペーンが入る柄が『プリンス・オブ・ウェールズ(王位継承権を持つ王子の称号)』と呼ばれるまでに至っています。
そんなグレンチェック柄ですが、良い色味の物があっても近年は小さめの柄が流行りなのか私のイメージ通りの物がなかなか見つからず半分諦めていました。
しかし、最近入ってきた2025年新作春夏生地にそれはありました。
それがこのカノニコの生地です。
すこし焦げたようなベージュがかったグレーで、柄の大きさも申し分ないです。
カノニコは生地が柔らかいので硬い英国生地が好みの私としては期待していませんでしたがこれは違いました。
21マイクロンという原毛が太くハリコシが強いシリーズで、手触りで言えば英国生地に負けずとも劣りません。
分かりやすく説明すると通常のスーツ生地でよく使われるSuper’s表記では
SUPER100’s = 18.5マイクロン
SUPER120’s = 17.5マイクロン
なので、その原毛の太さがわかるかと思います。
今回のグレンチェックは艶が出にくい柄なので、それよりも生地のハリコシを優先させた選択は非常にありがたいです。
仕上がりは5月中旬頃の予定です。
完成したらまた改めてブログでご紹介します。
鈴木(晴)