ドーメルが常に大切にしている革新的な精神は新しいコレクションの発表につながりました。この＜エクセル＞という名前の新服地は今までドーメルコレクションではなかった快適さを兼ね備えたラグジュアリー服地です。

ドーメルの新しい商品への開発意欲は、ピュアウールで通常可能であるヨコストレッチ性の約2倍のストレッチ性をもつスーパー110’s原料を使用した糸で織り上げた平織服地と、Super 130’s原料を使用した糸で織り上げた綾織服地の2種類を誕生させました。このストレッチ性はウール繊維の自然の弾力を利用する独特の製造法（原毛の選定、紡績、染、織り、仕上げ）より可能となっております。

今回のデビューコレクションでは様々なカラーバリエーションを揃えました。その色合いはメンズだけにとどまらずレディース用服地としても適したバリエーションとなっております。

モヘア原毛は服地に光の魔法をかけます。

モヘア原毛の特徴である光沢、弾力性、強い反発力、そしてしっかりとした手持ち感は服地をモダンに仕上げます。モヘア服地の先駆者であるドーメルがモヘアの良さをなくすことなくライトウェイトを追求した服地MYSTIC（ミスティック）です。

モヘアファンにとっては最高の光沢と性能、そして皺回復力に優れた新モヘアコレクション。ミスティックは厳選された最高級モヘアのみを使用している為、少量の使用で（5％）その特性を充分に感じることができ、特に高温多湿な夏のアジア地域には最適な服地となります。

TONIK – Tonik in your Gin?

新しい素材の服地を投入するまでには、5 年間にも及ぶ研究や紡績会社との共同作業が必要な場合もあります。1957 年に発売したTonik もそのひとつです。この服地は、良質の梳毛糸を縦糸（41%）に、アルパカ、キッドモヘアを横糸（59%）に使ったもので、2 つの天然繊維がスリープライで撚り合わされています。

この計算され尽くした構成比から、最高の品質を生みだすことに成功しました。シリコンや樹脂によるコーティングは施していません。その代わりに、布地を1 メートルごとに加熱したスチールローラーに通し、繊維の表面粒子を焼いています。この工程が、Tonik に独特の艶やかさと輝きをもたらすのです。

軽量（メートル当たり400 グラム未満）でシワになりにくいTonik は、高級テーラーに欠かせない服地で、長きに渡りドーメルの誇りとして君臨してきました。この生地が完成したときに、ジン・トニックで祝杯を上げたところから名づけられたことは、世界的に有名なエピソードとして知られております。

1960 年代、ドーメルは年間1 万2,000 ピース（80 万メートル）のTonik を売り上げました。注文してから手に入るまで数カ月待ちということもあるほどの大人気商品。有名なネイビーブルーの「006」の需要は特に大きく、事実上常に在庫切れの状態でした。名称は「006」ながら、服地の“007”と言えるかもしれません。実はかの有名な、James Bondは、当時ドーメルの広告担当取締役のPeter T. Watsonにによる鮮烈なTonik の広告が元となって生まれたキャラクターなのです。

Tonik 2000 ： 1957 年のトニックオリジナル製法を現代風にアレンジしたWool70%＆Mohair30%ブレンド服地。モヘアの光沢を上品に表現。横糸にウールとモヘアのブレンド糸を使用し、しっかりとした打ち込みながら軽量化に成功した服地です。