女性のフォーマル(礼服・喪服)のマナーを紹介 ~お葬式・お通夜で着るスーツ
女性のフォーマルスタイル
フォーマルな装いに迷う方は多いようです。中でも “お葬式” や “お通夜” は、故人を偲んで成仏を祈願する行いとなり大切な日となります。「この服で良いのか」と不安な気持ちが消えないまま当日を迎えてしまう事は避けたいですよね。そこで今回は、一般参列者としての装いを知る!『喪服と礼服の違い』『正喪服・準喪服・略式の違い』『女性の参列者としての服装・身だしなみのマナー』について見ていきながら、女性のフォーマル(礼服・喪服)のマナー・ふさわしいスーツをご紹介していきます。
< 目次 > -クリックすると各内容へ飛びます-
1. 喪服と礼服の違い
2. 女性の礼服の種類
3. 女性の喪服の種類
4. 女性の参列者としての服装・身だしなみのマナー
4-1. 基本的なマナーについて
4-2. お葬式での喪服はどのようなものを選ぶべき?
5. 年代別の女性の喪服の選び方
6. お葬式でのコートの選び方
6-1. お葬式での靴・鞄はどのようなものを選ぶべき?
6-2. お葬式でのストッキングは黒一択
6-3. お葬式でのメイク・アクセサリー・髪型についても紹介
7. お葬式でのネイルのマナー
8. 数珠やハンカチなど、小物のこと
9. お葬式に持参するエプロンや割烹着は?
10. お葬式に持参する傘の色は?
11. お葬式での家族の服装。男性・子供の服装マナーも覚えておきたい
喪服と礼服の違い
まずはじめに覚えておきたいのが “喪服” と “礼服” の違いについてです。
●喪服とは・・・お葬式の際に着用し、黒や漆黒色が一般的な装いとなります。喪服は、正喪服・準喪服・略式(略礼服)の3つに分かれます。
●礼服とは・・・主に冠婚葬祭時に着用し、敬意や威厳を表す装いとなります。フォーマルウェアとも呼ばれ服によって格式(正礼装・準礼装・略礼装)が異なります。
▽【男性編】礼服と喪服の違いについて詳しく知りたい方はこちら。
■ 関連ページ:礼服と喪服の違い《男性編》スーツの着こなし方・マナーなどを徹底解説!
女性の礼服の種類
正礼装(モストフォーマル)
正礼装は服装の中で最も格式が高く、儀式や冠婚葬祭などの特別な行事の時に着用する、改まった服装です。
スカートならロングまたはミディ丈、胸元は襟が詰まったデザイン、長袖で同色無地のデザインなどが基本となります。結婚式で新婦の母親が着用する機会が多い留袖も正礼装にあたります。
着用シーンとしては、結婚式の主催者(新郎新婦)や主催者親族、園遊会や受勲式など特別な式典の場合となります。
準礼装(セミフォーマル)
準礼装は一番着る機会が多く、友人や会社の同僚などの結婚式、子どもの式典、冠婚葬祭などの着用シーンが挙げられます。
正礼装と同じく、スカート丈が短かったりノースリーブなど露出が多い服装は基本的にNGのため、避けるようにしましょう。
またパンツスーツも問題なく準礼装となりますが、格式の高い教会などでの式典では会場側のドレスコードがかなり厳格に指定されている場合があるため、事前にパンツスタイルがOKかどうかを確認しておくと安心です。
略礼装(インフォーマル)
略礼服は、準礼装よりもカジュアル感のある装いで、フォーマルな装いの中で最もカジュアルに近い服装になります。
着用シーンは結婚式の2次会やカジュアルなパーティなどが挙げられます。
カジュアルに近いとはいえ、肌を露出しすぎないことが理想的ですので、出席する式典の服装の指定などをしっかりと確認して服装の準備をするようにしましょう。
平服
平服とは、略礼服の中でもよりカジュアルダウンしたきれいめな装いのことを指します。注意したいポイントは、普段の日常生活で着用するようなカジュアルな装いとは全く違い、フォーマルな雰囲気の中にカジュアルさを取り入れるという点。きっちりとしたフォーマルなスタイルに比べて力が抜けつつも、会場の雰囲気に合ったきちんと感が出るスタイルにするということを意識しましょう。
礼服でも細かく種類が分かれるため、参加する式典などのドレスコードを確認したうえで服装の準備をするのがおすすめです。
また女性と同様に男性の礼服にも種類がありますので、気になる方は以下記事を参考にしてみてください。
▽男性の礼服について詳しく知りたい方はこちら。
■ 関連ページ:略礼服とは?礼服の3つの種類や略礼服を選ぶポイントを紹介!
女性の喪服の種類
先程触れたように、喪服は「正喪服」「準喪服」「略式(略喪服)」の3つに分かれています。
●正喪服とは・・・最も格式の高い服の事。葬儀や告別式、一周忌までの法要、喪主や親族など主催する側の人が着るものとなります。
●準喪服とは・・・一般的な喪服の事。一般参列者としてお葬式やお通夜に参列する場合はこの準喪服となります。
●略式(略喪服)とは・・・三回忌以降の法事や急な弔問、お通夜へ参列する際に着用します。男女問わず、黒や濃紺(ネイビー)などのダークカラーで控えめな服装を選ぶようにしましょう。
このように、喪服の中にも違いがある為、どんな場面で着るのかしっかりと把握することも大切になります。
女性の参列者としての服装・身だしなみのマナー
基本的なマナーについて
キーワードは【弔事の場にふさわしくないもの】【肌の露出を避ける】の2つを意識したいところです。お葬式やお通夜のような場面で、身だしなみが崩れていると場の雰囲気を壊しかねません。また、周りに与える影響も良くないでしょう。マナーをわきまえた装いで当日を迎えられるようにしましょう。
お葬式での喪服はどのようなものを選ぶべき?
喪服は、ビジネス・カジュアルスーツを揃えるように、きちんとしたものを1着持っておきたいところ。黒の色合いなどによっては、慶事・弔事のどちらにも着ていける喪服を選ぶ方も多いようです。当日に準備がない場合やお通夜では、黒いワンピースや黒スーツでも問題はないでしょう。
気を付けたいのが、スカートの丈。喪服の基本的な丈の長さは、膝下からふくらはぎくらいまでとなります。短くても膝が隠れる程度にしましょう。マナーでも触れましたが、肌の露出は少なく、胸元が開いたデザインは避けるようにしましょう。
年代別の女性の喪服の選び方
単純に「喪服」と言っても、年齢によってどんな喪服を選ぶかは少しずつ変わってきます。ここからは、年代別の喪服の選び方の一例をご紹介します。
20代
20代はワンピースよりもジャケットタイプである程度の若々しさを出すのがおすすめです。着脱式のリボンなどがついているものもおすすめで、シーンや年齢に合わせて長く着用することができます。またフレアタイプのスカートやパンツスーツにすることで、動きやすさなど機能性の面でも葬儀の参列に慣れていない場合が多い20代にとってはプラス要素となっています。
30代
30代は、落ち着いた大人な雰囲気を出せるワンピースタイプや、上着を変えてどの季節にも対応できるアンサンブルタイプの喪服を選ぶのがおすすめです。特にライフスタイルの変化などで体型にも変化が出やすい時期にもなるため、ぴったりサイズよりもある程度サイズに余裕があるものを選ぶと体型をカバーしつつ、ジャケットなどを変えることで長く着用することができます。
40代
40代は飾りのないシンプルなデザインであったり、スッキリしたシルエットのものなど、落ち着いた雰囲気の中に上品さを出せるデザインのものを選ぶのがおすすめです。
喪服を着る機会が増えていく時期にもあたるため、上着を変えてオールシーズン対応することができるアンサンブルタイプのものなどは1着持っておくと重宝するでしょう。
50代
50代になるとさらに葬儀に参列する機会が増えたり、喪家側となる場合があるタイミングのため、より品格のある質の高い喪服を1着用意しておくと安心です。
着脱しやすい前開きのデザインや、丈の長いスカートもしくはパンツスーツで落ち着いた雰囲気を出すことができます。
お葬式でのコートの選び方
寒い季節の葬儀の場合、移動で羽織るコートについても注意をする必要があります。
理想は黒色のコートを羽織りたいところですが、厳格な色に対する決まりはありません。手持ちに黒色のコートがなく、普段の着用も考えている場合は、紺色やグレーなどできるだけ黒に近い色を選ぶと安心です。
明るい色や華やかな色のものは弔事の場にはふさわしくなく、かえって周囲の参列者の方を不快な気持ちにさせてしまう恐れがあるため、避けるようにしましょう。
お葬式での靴・カバンはどのようなものを選ぶべき?
靴は、装飾がないシンプルな黒のパンプスを合わせるのがマナーです。「黒なら何でも良い」と考えてしまう方は注意が必要です。また、装いと同じように殺生をイメージさせるものは避けるようにしましょう。お葬式の場によっては会場に用意されている席の数は決まっており、長時間立ちっぱなしということも珍しくありません。脚が疲れにくいパンプスを履いていくのが望ましいです。ヒールの高さは低いほど歩きやすくなります。選ぶ時の参考にどうぞ。
お葬式でのストッキングの色は黒一択
ストッキングの色は、お葬式では黒の無地一択。お通夜の席では、肌色(ベージュ)のストッキングもマナー違反にはなりません。防寒対策や保温効果を使用目的とした “タイツ” は、寒い季節では履いている方もいます。履く際は、編み模様の少ない無地を選び控えめなモノを選ぶようにしましょう。
お葬式でのメイク・アクセサリー・髪型についても紹介
身だしなみの1つとして “メイク” “アクセサリー” “髪型” についても簡単に触れていきます。
メイクは、ナチュラルメイク。ノーメイクは避け、アイメイクやチークなども派手さをおさえベージュ系などシンプルにまとめるようにしましょう。アクセサリーは、一般的に結婚指輪以外は身に着けないようにしましょう。身に着ける場合は、黒や白のパールのネックレスが良いでしょう。その時に気を付けたいのが、2連・3連のネックレスはふさわしくないとされている為、1連のモノを選ぶようにしましょう。
お葬式でのネイルのマナー
通常のマニキュアの場合
葬儀のスタイルに関係なく、参列者はネイルをしないことが基本となり、クリアやベージュなど肌馴染みの良いカラー以外はマナー違反と捉えられます。そのため、通常のマニキュアの場合はネイルオフするか、ネイルオフをしない場合は専用のネイルシールを貼ったり、派手な箇所のみ絆創膏を貼るなどの対策で葬儀の間だけネイルを隠すのが無難です。
ジェルネイルによるネイルアートの場合
ジェルネイルの場合は自分で手軽にオフすることは難しいため、上からベージュカラーなどのマニキュアを塗る、絆創膏を貼るなどの対処が考えられます。立体的なネイルをしている場合は、上からマニキュアを塗ったり絆創膏を貼っても目立ってしまうため、手首までの長さの黒い手袋をつける方法もあります。ただし、食事やお焼香など手袋を外さなければいけない場面もあるため、そうした場合の対処法についても一緒に考えておくと良いでしょう。
数珠やハンカチなど、小物のこと
ここからは、お葬式やお通夜に持っていく基本的なアイテムについて見ていきます。
数珠
数珠は宗派によって違いますが、お手持ちのものを使用して問題ありません。
ハンカチ
基本は白の無地ですが、黒や淡いブルーやピンクと派手な色でなければ問題ありません。
袱紗(ふくさ)
香典・不祝儀袋は袱紗(ふくさ)に包んで持参します。袱紗の色で気を付けたいのが、慶事(お祝い事)と弔事(お葬式)では使う色が違い、弔事では、寒色系が基本です。慶弔では、どちらでも使える紫色のものを1枚持っておくと安心です。
お葬式に持参するエプロンや割烹着は?
親族や親しい方の葬儀・法事で食事やおもてなしのお手伝いを頼まれた場合は、喪服を汚す心配のないようにエプロンや割烹着を持参すると良いでしょう。
エプロンや割烹着は、白または黒の無地で、装飾のないシンプルなものを選べば問題ありません。
お葬式に持参する傘の色は?
葬儀の日が雨だった場合に使用する傘についても、やはり黒色のシンプルな傘がふさわしいと言えます。黒色の傘が無い場合はグレーや紺、深緑など鈍色のものや、透明または白い色合いのビニール傘もマナーの範囲内となります。
お葬式での家族の服装。男性・子供の服装マナーも覚えておきたい
お葬式での男性の服装や身につける小物について
▼基本スタイル▼
ブラックスーツ×白のワイシャツ
ネクタイ(タイピンはしない)、靴下、靴は黒
急な訃報の場合は、ダーク系のスーツに黒ネクタイでも良いでしょう。
お葬式での子供の服装について
子供の服装は、普段通っている制服で良いが、派手な印象を与えるデザインがある場合は、私服に切り替えて参列するようにしましょう。私服の場合は、白シャツ・ポロシャツなどのトップスに、光沢のないダーク系のズボンやスカート、シンプルな靴下・靴を合わせる。フリースやナイロンなどカジュアルな印象を与える装いは避けるようにしましょう。
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