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スーツの種類

国別で知るスーツスタイルの歴史~人に与えるイメージや方向性の選び方~

(最終更新日:2024.11.01)2020.08.05 # スーツの種類

服(スーツ)の選び方の選択肢とは?

突然ですが、皆さんは着る服をどのような考え方で選んでいますか。好みの “色・柄” “シルエット” “ブランド” 、あるいは “憧れの俳優・芸能人のスタイル” など、色んな選び方があるかと思います。また、着用シーンによってはNGなスタイルがあり悩む方も多いのではないでしょうか。

中でもプライベートで着るカジュアルな装いとは違い、ビジネスシーンでのスーツは、基本的なマナーや人に与えるイメージが大切になってきます。しかし、なかなか「自分に似合う服」を見つけるのは難しいですよね。

そこで今回は、服のルーツや背景を知って選ぶ!『国別で知る~服装の歴史~』『イギリスとイタリアのスーツの違い』『スーツを着た時に人に与えるイメージ』について見ていきながら、国別で知るスーツの選び方や考え方をご紹介していきます。

 

< 目次 > -クリックすると各内容へ飛びます-

1.  国別で知る~服装の歴史~
1-1.  【1】他者への礼節のために装う-イギリス
1-2.  【2】自分を装い異性の関心を引くため-イタリア
2.  イギリスとイタリアのスーツの違い
2-1.  【1】イギリスのスーツスタイル
2-2.  【2】イタリアのスーツスタイル
3.  スーツを着た時に人に与えるイメージ

 

国別で知る~服装の歴史~
【1】他者への礼節のために装う-イギリス

まずはじめに、服のルーツには大きくわけて “イギリス” “イタリア” “アメリカ” の3ヶ国があり、今現在ある服のデザインやイメージも、少なからず影響を受けています。ここではスーツに注目し、「イギリス」「イタリア」の考え方について、下記の表を元に見ていきます。

古くから貴族文化(貴族階級)が定着しているイギリスは、「他者への礼節のために装う」という服の考え方があります。分かりやすい言葉でいうと “英国紳士” 、英国の上品で礼儀正しく、教養の高い立派な男性と言えます。

その考え方がある為、イギリス発祥の服には、チェスターコート・ステンカラーコートをはじめ、ドレッシーでエレガントなテイストの服が多くあります。スーツの起源も16世紀のイギリスだと言われています。与えるイメージには、品があり、マジメに見える、きちんとした装いがイギリス人らしい考え方となります。

 

【2】自分を装い異性の関心を引くため-イタリア

古くからイギリスやフランスの服の下請け生産地となっていたイタリアは、「自分の装いで異性の関心をひく」という服の考え方があります。イタリア人の装いを見るとどこかセクシーでエレガント、アピールできる服を好む方が多いと言えます。

その考えがある為、イタリアの服は、柔らかくて曲線的なシルエットやしなやかで軽く仕上げられているモノが多いです。与えるイメージには、色気があり、洗練されて見える、繊細な着こなしがイタリア人らしい考え方となります。

 

イギリスとイタリアのスーツの違い
【1】イギリスのスーツスタイル

先述でお伝えしたように、イギリスとイタリアの服の考え方には違いがあり、服が与えるイメージも変わってきます。ここでは、 “スーツ” の違いを2つのポイント「デザイン」「気候と国民性」に分けて見ていきます。


<ポイント1> イギリスのデザイン

キーワード:固めの生地と相性のよいカッチリとした「ブリティッシュ・スタイル」

ジャケットのシルエットで重要な “パットがしっかり入り張りのあるショルダーライン” がスタイルの象徴的なディテール。その他、打ち込みのしっかりとした重め・固めの生地で仕立てるハードテーラリングや固い馬の毛を使った毛芯の使用など、丈夫なスーツスタイルが基本となります。


<ポイント2> イギリスの気候と国民性
キーワード:1年中曇りが多く湿気が高い、勤勉で伝統を重視する保守的な国民性

イギリスは、湿気が高い気候でもヨレないように重くて固い素材が多い。カッチリしているのも耐久性を重視している点とイギリス人的な考え方が反映されているといえます。

 

【2】イタリアのスーツスタイル

<ポイント1> イタリアのデザイン
キーワード:柔らかで中性的な華やかさのある「イタリアン・スタイル」

イタリアのスタイルは、とにかくシルエットの美しさ。“ドレープの効いた滑らかさ”がスタイルの象徴的なディテール。その他、ソフトテイラリングは自然で柔らかでエレガントさを醸し出し、立体的な袖付けなど、綺麗なラインのスーツスタイルが基本となります。


<ポイント2> イタリアの気候と国民性

キーワード:地中海気候で晴天が多く乾燥、人生を謳歌する楽天的な国民性

イタリアは、乾燥している気候で生地のヘタリが遅いため柔らかく軽い素材が多い。常に異性を意識し陽気に人生を楽しむスタイルが、よりファッションを意識したイタリア人的な考え方が反映されているといえます。

 

▽▽▽より詳しくイタリアとイギリスのスーツについて気になる方はこちらもチェックしてみてください。

■ 関連ページ:
イタリアとイギリス(ブリティッシュ)のスーツスタイルの違いと特徴

 

スーツを着た時に人に与えるイメージ

服が人に与えるイメージを理解しておくことで、自己プロデュースが可能になり、ビジネスシーンにおける対人コミュニケーション能力を上げることができます。下記の表を元にそれぞれのスタイルのイメージ見ていきます。


<クラシコイタリアスタイル>

ポジティブなイメージ:洗練されていそう・センスがよさそう・柔軟性がありそう
ネガティブなイメージ:遊んでそう・細かくこだわりそう


<ブリティッシュトラッド>

ポジティブなイメージ:誠実そう・仕事ができそう・知的で頭がきれそう
ネガティブなイメージ:冷たそうに感じる・堅そうに感じる

あくまでもイメージですが、スーツの歴史や服の考え方を参考にすると分かりやすいのではないでしょうか。さらに、スーツの色で置き換えると、ブライトネイビー・チャコールは、華やかさ・親しみやすさがあり活動的なイメージに。ダーク系の色味は、誠実・論理的で、知的・真面目なイメージになります。

 

 

*****
最後に、“なりたい自分の姿” と “スーツの方向性” について紹介。
服は、自分を映し出す鏡のような役割があり、見られたい姿をいつもイメージすることはとても大切です。ビジネス・カジュアルと着用シーンに合わせたスーツ選びの参考にもどうぞ。

抽象イメージの部分は、選ぶスーツの色柄によって変化していきますので、まずは見られたい姿を軸に考えると良いでしょう。今回は、スーツの選び方について解説してきましたが、冒頭でもお伝えしたように、イギリスやイタリアの服の考え方は、今のファッションアイテムに影響を与えています。カジュアルな服装を選ぶ際にもイメージしてみるのも良いかも知れません。

 

***
いかがでしたでしょうか?

何も知らない所からはじめるのも良いかもしれませんが、普段から身に着ける服に興味を持ちながら情報を集めて、自分好みのスタイルを確立していきましょう。

 
 
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Supervisor - この記事の監修者

Global Styleクリエイティブ・ディレクター
江森義信

大学卒業後、アパレルメーカーにてミラノコレクションにも参加するイタリアブランドのデザイナーとして11年のキャリアを積む。チーフデザイナーを歴任後、フリーとなり、オリジナルブランドのセレクトショップや百貨店での展開。大手アパレルや小売店、商社など、様々なプロジェクトのデザインやディレクションを手掛ける。

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