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革靴・靴下・リュック・帽子

革靴の種類を徹底解説!マストバイな革靴も紹介!

(最終更新日:2024.11.01)2024.02.28 # 革靴・靴下・リュック・帽子

革靴と一口に言っても、様々なデザイン・素材・製法があり、更にフォーマル向け・ドレス向け・カジュアル向けと選ぶのも一苦労ですよね。本記事ではそんな革靴の基本的な部分を解説していきます。

< 目次 >-クリックすると各内容へ飛びます-

1.  革靴のデザイン
1-1.  ①ストレートチップ
1-2.  ②プレーントゥ
1-3.  ③Uチップ
1-4.  ④モンクストラップ
1-5.  ⑤ローファー
2.  革靴の製法
2-1.  マッケイ式
2-2.  グッドイヤーウェルテッド式
2-3.  ステッチダウン式
2-4.  セメント式
2-5.  カリフォルニア式
3.  穴飾り
3-1.  パンチドキャップトゥ
3-2.  セミブローグ
3-3.  フルブローグ(ウイングチップ)
3-4.  スペクテイターシューズ
4.  素材
4-1.  牛革
4-2.  馬革
4-3.  スエード・ヌバック
4-4.  ワニ革
4-5.  合成皮革
5.  スーツに合わせた革靴選び
6.  マストバイの革靴

 

革靴のデザイン

まずは革靴のデザイン。様々なデザインが各メーカー・ブランドにラインナップされていますが、その基本形とも呼ばれる革靴を5つ紹介します。

①ストレートチップ

ストレートチップとは、つま先に一文字の縫い目があるデザイン。靴ひもを通す箇所が外についている物は“外羽根式”。甲の部分と一体化している物を“内羽根式”と呼びます。冠婚葬祭・ビジネスシーンどちらにも着用できるデザインですが、カジュアルな服装には合わせ辛いため避けた方が良いでしょう。

②プレーントゥ

つま先に一切飾りのないデザイン。“外羽根式”が一般的ですが、ストレートチップ同様に“内羽根式”物もあり、よりフォーマルな見た目になります。カジュアルからフォーマルまで対応できると言われていますが、つま先の形・ステッチ・ソール等の細かな部分の違いにより着用できるシーンが変わる靴でもあります。

■スタンダードなプレーントゥ
甲のデザインが外羽根式で、つま先が程よく丸みを帯びたデザイン。多くの方がプレーントゥと聞いて思い浮かべるのではないでしょうか。ドレス過ぎず・カジュアル過ぎない印象なので、ビジネス・カジュアルどちらにも対応できます。

 

またVフロント(つま先がV字状に広がったデザイン)であれば、外羽根式のカジュアルな印象を抑えキレイ目なコーディネートに上手くはまります。

 

■フォーマル・ビジネス向け
甲のデザインが内羽根式でフォーマルな印象のデザイン。外羽根式と比較してよりドレスライクな雰囲気で、冠婚葬祭・ビジネスにおいて真面目さを印象付けてくれます。反対にカジュアルシーンでは堅すぎてしまう場合があるため、上記のシーンに限定して着用すると良いでしょう。

 

■カジュアル向け
つま先が丸みを帯びている・ステッチが革と違う色・ソールが厚い。このような特徴に当てはまるプレーントゥはカジュアルシーンに活躍します。ワイドパンツ・デニムなどと相性がよく、カジュアルさを抑えてキレイ目なコーディネートを演出してくれるでしょう。一方でフォーマルな場や、ビジネスシーンには適さないため避けた方が無難です。

③Uチップ

甲の箇所にU字型の切り替えが入ったオン・オフ問わず活躍するデザイン。スーツにはもちろんの事、ジャケパンのようなやや力を抜いたスタイルにも相性◎ドレス過ぎず、カジュアル過ぎない絶妙な雰囲気は、履くだけで簡単にワンランク上のお洒落を実現してくれるでしょう。

 

④モンクストラップ

バックル留めのストラップで甲をホールドするタイプのデザイン。昨今ビジネスパーソンからの支持を集めている種類で、紐靴より簡単にローファーよりもドレスな印象を持っています。またストラップが1つの“シングルモンク”とストラップが2つある“ダブルモンク”があり、ビジネス用においてはどちらを着用しても問題ありません。ただしストレートチップ・プレーントゥと比較してカジュアルな印象を受けますので、冠婚葬祭には着用を避けましょう。

⑤ローファー

よく似たデザインでスリッポン(スリップオン)がありますが、大きな違いはスリッポンが装飾のないプレーンな物を指し、ローファーは甲の部分にフリンジやタッセル・飾り金具が付いたものを指します。ローファーは「怠け者」という意味を持っているため、基本的にビジネスもといスーツスタイルには不向きとされています。ただしカジュアル化が進んでいる昨今、オフィスカジュアルやビジネスカジュアルが許可されている企業においては着用しても問題ない場合もあります。

(引用:https://berwickjapan.co.jp/)

取引先との商談や大事な会議には着用を避けるなど、TPOに合わせて着用するか否か決めるとなお良いでしょう。

 

革靴の製法

次に革靴の製法についてメリット・デメリットを交えてご紹介していきます。製法によっては、メンテナンスがし易い・しにくい、履き始めから楽に履けるなどの違いがあります。

マッケイ式

アッパー(甲革)とインソール・アウトソール(本底)を一つに縫い上げる製法。歩行時の靴の返りが履き始めから柔らかく、「革靴は痛くて苦手…」という方にはおすすめ。

メリット…比較的安価・履き始めから柔らかい・ドレッシーな雰囲気

デメリット…靴底の交換がし辛い・雨水が染み込みやすい・クッション性が比較的低く長時間の歩行に向いていない

(引用:https://www.madras.co.jp/shop/default.aspx)

グッドイヤーウェルテッド式

アッパー(甲革)とアウトソール(本底)をそのまま縫うのではなく、アッパーとアウトソールの間にウェルトを配置し、ウェルトとアウトソールを縫う製法。高級革靴に多く用いられる製法で、メンテナンス次第で長く履き続けることが可能。

メリット…靴底の交換が複数回可能なため長持ち・履いていくうちに足の形にフィットしていく。

デメリット…比較的高価・馴染むまでは靴の返りが悪い・定期的なメンテナンスが必要

(引用:https://www.madras.co.jp/shop/default.aspx)

ステッチダウン式

通常アッパーの端の部分は内側に折り込まれるが、ステッチダウン製法は端を外側に織り、中板に縫い付ける。その後アウトソールを中板に縫うか接着剤で貼り付ける製法。グッドイヤーウェルテッド製法と比較して、気密性が高く水が浸入しにくく、屈曲性に優れている。

メリット…柔らかく履き心地が良い・耐水、耐久性が高い

デメリット…カジュアルなデザインになってしまうため、高級靴に用いられることはほとんどない。

(引用:https://www.madras.co.jp/shop/default.aspx https://www.moonstar.co.jp/)

セメント式

糸を使って縫い上げるのではなく、強力な接着剤を用いて制作される製法。大量生産に向いており、デザインの汎用性が高くファッションブランドなどのシューズにも多くみられる。

メリット…履き始めから柔らかい・デザイン性の高い物が多い・軽量・耐水性が高い

デメリット…オールソール交換に適していないため、消耗品になりやすい・接着が弱まっていく


(引用:https://www.madras.co.jp/shop/default.aspx)

カリフォルニア式

アッパー・中底・プラットフォーム巻革を縫い合わせた後に靴型を挿入し、プラットフォーム巻革を巻きつけて釣り込み、このプラットフォーム巻革に接着剤を塗布し、圧着機でアウトソールを付けるする製法。プラットフォームと呼ばれる柔らかいクッションを内蔵しているため、足当たりがよく弾力性も優れています。

メリット…靴の返りが良く歩きやすい・弾力性があるため歩行時に疲れにくい
デメリット…カジュアル用が多く、ドレスシューズにはあまり見かけない

 

(引用:https://www.madras.co.jp/shop/default.aspx https://www.rakuten.co.jp/)

 

穴飾り(ブローキング)

穴飾りとは、靴の縫い目に小さな穴をあけ、装飾性を高めた物。一般的に穴飾りが多ければ多いほどカジュアルに、少なければドレスライクになっていきます。穴飾りは装飾である以上、冠婚葬祭などのフォーマルシーンや、大事な商談・取引の際には着用を避けた方がよいでしょう。ここからは穴飾りが施された革靴の種類と、主な着用シーンをご紹介していきます。

画像

パンチドキャップトゥ

前述したストレートチップの別称であるキャップトゥをベースに、一文字の縫い目のみに穴飾りが施されたデザイン。ストレートチップほど堅くなく、足元をさりげなくお洒落にしたい方におすすめ。

着用シーン…ビジネス・レストランディナーなど(引用:https://berwickjapan.co.jp/)

セミブローグ

セミブローグとは一文字の縫い目に穴飾りがあるだけではなく、他の縫い目にも穴飾りが施されたデザイン。多くはトゥに“メダリオン”と呼ばれる小さな穴を模様のようにあけたものが施されています。パンチドキャップトゥよりも華やかに、フルブローグよりも控えめなため、オンオフ問わず着用できる。

着用シーン…ビジネス・カジュアル

フルブローグ(ウイングチップ)

フルブローグとは、セミブローグのトゥのデザインが一文字ではなく、アルファベットの「W」の様な形をしています。ウイングチップとも呼ばれますが、これはイギリス・アメリカで呼び方が異なるためです。(イギリス:フルブローグ アメリカ:ウイングチップ)内羽根式と外羽根式がありますが、内羽根式といえどもフルブローグは華美な印象を受けるため、フォーマルシーンには適しません。

着用シーン…カジュアル・ビジネス ※内羽根かつ黒の場合

(引用:https://berwickjapan.co.jp/)

スペクテイターシューズ

スペクテイターシューズとは簡単に言ってしまうと“コンビシューズ”の事。白ともう一色というのが一般的ですが、他の色や異素材を用いたデザインもあります。ベースはフルブローグ(ウイングチップ)が最も多く、次いでローファーが良く見られます。白が用いられるため、春夏の軽快なコーディネートに上手くハマりやすく周りと被ることが少ないシューズ。

着用シーン…カジュアル(特に春夏がおすすめ)

 

素材

革靴の素材は見た目だけでなく、機能性や丈夫さなど素材によって異なっています。靴の定番である、牛革や馬革・起毛革・ワニ革の特徴を紹介します。

牛革

革靴の代表格ともいえる牛革。牛革には飼育年数や雌雄の違いによって種類が分かれています。よく目にするのは次の2種類でしょう。

■ステアハイド
生後3〜6ヶ月以内に去勢され、2年以上経った雄牛の革。表面のきめ細やかさは後述するカーフに比べると劣りますが、厚みがあり耐久性に優れ、比較的安価に入手できる革です。

■カーフスキン
カーフスキンとは牛革のなかで一番若い生後6か月程度の仔牛の革で、キメ細やかで柔らかい特徴を持ち、高級靴に採用されることが多い素材。

 

馬革

牛革についで様々な革製品に用いられる馬側。中でも“革のダイヤモンド”と呼ばれる「コードバン」。コードバンとは馬のお尻の革のことで、耐久性が高く使い込むうちに使い手のメンテナンスによって独特な艶感がでてきます。どう育てるかを考えるのも楽しみの一つと言えるでしょう。

(引用:https://berwickjapan.co.jp/)

 

スエード・ヌバック

スエードもヌバックのどちらも起毛した革ですが、大きな違いは起毛する面と毛足の長さです。ヌバックは革の表面を起毛加工し、毛足が短く滑らかな手触りです。スエードはヌバックと反対に、革の裏側を起毛させており毛足は長く起毛感の強い手触りです。

ワニ革(クロコダイル)

エキゾチックレザーの一種で、ウロコの様な模様が特徴的。クロコダイル革は高級感と圧倒的な存在感があり、大変希少性の高い革です。ただし殺生を想起させるということからフォーマルはもちろん、ビジネスシーンにおいても着用は避けた方が良いでしょう。また水に弱くメンテナンスにも専用のグッズが必要になり扱いが難しい素材とも言えます。

合成皮革

ここまで天然皮革の種類をご紹介してきましたが、最後に合成皮革についても触れていきましょう。合成皮革は天然皮革と比較して“安価”で“キズ”や“雨”に強く、お手入れも濡れた布で拭くだけで良いといったメリットがあります。一方で“伸びない”“蒸れやすい”“経年劣化で割れやすい”といったデメリットがあります。

ご自身の利用シーンや着用頻度、予算に応じて素材を決めていきましょう。

 

スーツに合わせた革靴選び

ここまで革靴のデザイン・製法・素材について解説してきましたが、ここからはスーツやジャケパンスタイルに合わせる革靴をご紹介します。

タキシード

タキシードの場合はTPOに合う靴を選ぶと良いでしょう。主役か列席者かによっても選び方が異なってきますが、ここでは会場を軸とした選び方をご紹介します。

♦格式の高いホテルなどの会場
・オペラパンプス
・エナメルシューズ(内羽根ストレートチップor内羽根プレーントゥ)

♦カジュアル・リゾートウエディング
・内羽根ストレートチップ(牛革)

ディレクターズスーツ

昼間の準礼装であるディレクターズスーツには、黒のストレートチップかプレーントゥ(共に内羽根)が正しい着こなしです。また礼装のモーニングコートの場合もディレクターズスーツと同じ選び方をしましょう。

ネイビースーツ

ネイビースーツの場合、色の明暗によって革靴の選ぶとミスマッチを防ぐことができます。スーツの色と革靴の色のコントラストが強くならないようにすることが大切です。

■濃紺の場合
…ブラック・ダークブラウン・バーガンディ
おすすめデザイン…ストレートチップ・プレーントゥ・モンクストラップ・ブローグシューズ

もし1足目の場合は黒のストレートチップを持っておきましょう。ビジネスや冠婚葬祭など幅広く対応できるためここから揃え始めると良いでしょう。2足目以降は“ダークブラウン”や、“モンクストラップ”のデザインを増やしていくと◎

 

■やや明るめなネイビーの場合

…ダークブラウン・ミディアムブラウン
おすすめデザイン…ストレートチップ・プレーントゥ・セミブローグ・ブローグシューズ

濃紺よりもやや明るいネイビー(ブライトネイビー)にはブラウン系の革靴がおすすめ◎ 清潔感のある寒色系のネイビーと、優しい雰囲気のブラウンの組み合わせは上品かつ落ち着きのあるスタイルに。スーツが無地であれば足元はブローグシューズで、スーツに柄があれば“ストレートチップ”“プレーントゥ”を合わせる等、全体のバランスを見て選ぶと良いでしょう。

チャコールグレースーツ

グレースーツは無彩色に分類されるため、選ぶ色によって印象は大きく変わります。モノトーンで合わせたブラックの革靴ならシックでフォーマルな印象に。ブラウン系の革靴を合わせると華美になりすぎないお洒落な雰囲気になります。

…ブラック・ダークブラウン・バーガンディー
おすすめデザイン…ストレートチップ・プレーントゥ・モンクストラップ

洗練された大人なイメージを持つチャコールグレーはその雰囲気を活かし、革靴も暗いトーンを選ぶと良いでしょう。ストレートチップやプレーントゥでは少し固すぎる場合は、モンクストラップのデザインを選べば程よいこなれ感を出すことができます。一方で明るめのブラウン(ミディアムブラウン・ライトブラウン)を合わせてしまうと、足元だけが浮いてしまい統一感に欠けたスタイルになります。

ジャケット&スラックス

ジャケットとスラックスを合わせたジャケパンスタイルの場合は、ローファーを取り入れてみましょう。紐靴でも問題ありませんが、黒のストレートチップや内羽根プレーントゥはフォーマル感が強くジャケパンスタイルの軽快な印象には適さない可能性があります。その場合は素材をスエードやヌバックの物を取り入れるとカジュアル感がプラスされ◎

 

 

秋冬はチャッカブーツを合わせるのも程よい抜け感があり◎
(引用:https://berwickjapan.co.jp/)

マストバイの革靴

最後に1足は持っておきたい革靴をご紹介していきます。冠婚葬祭・ビジネス・カジュアルと使いやすい物を筆者の主観を大いに交えてピックアップしましたので、ぜひお買い物の参考にしてみてください。

ストレートチップ

まずは王道のストレートチップ。1足も持っていない場合は、“黒”の“内羽根式”を持っておきましょう。冠婚葬祭・ビジネスと着用シーンが多いためまさにマストバイと言えます。2足目の場合はダークブラウン(こげ茶)を持っておきたい。冠婚葬祭には使用できませんが、合わせるスーツの色を選ばないためビジネスシーンやカジュアルウエディングに重宝します。

Uチップ

「スーツだけじゃなくて、ジャケパンにも普段使いにも兼用したい」欲張りな方はUチップがおすすめ。つま先は尖りすぎずやや丸みを帯びた物、色は“黒”か“ダークブラウン”を選ぶとどんな服装にも合いやすくコーディネートに上手くハマってくれるでしょう。

(引用:https://www.deradera.co.jp/blog/archives/14749.html)

ローファー

筆者が強くおすすめしたいのはローファーの中でも“タッセルローファー”。甲の部分にタッセル(房飾り)施されたデザインでドレス寄りに位置している。スーツには足元に程よい抜け感を、ジャケパンスタイルには軽快さを、カジュアルスタイルにはキレイ目な印象を…等々どこにでも出張できる万能なアイテム。

(引用:https://www.tradingpost-online.jp/)

***

いかがでしたでしょうか。


革靴と一口に言っても、素材・製法・デザインによって着用シーン・スタイリング・履き心地などに大きく作用する。まずはご自身のワードローブを確認し、2~4通りのコーディネートに合う革靴から揃えていけば間違いないでしょう。

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