スーツの輝く季節【名古屋広小路通り店】
こんにちは。
鈴木(晴)です。
もう冬です。
スーツが輝く季節がやってきました。
私の地元は来週あたり、最低気温が氷点下を下回るそうです。
名古屋は雪国の人間からするとまだまだ半袖で出歩けるほどです。
地元が恋しいです。
そんな冬に向けてスーツを新調しました。
フランネルのダークグレーストライプです。
目付は310gのSuper110’sです。
ストライプの種類はチョークストライプでフランネル生地と相性抜群で、今回はやや幅広を選択しました。
スーツ生地は艶のあるフランネルが一番好きです。
なんとも言い難いのですが、通常の生地にはない優雅な雰囲気が気に入っています。
デザインはモダンブリティッシュのダブルブレストです。
私はやはり英国仕立てが好きです。
カイザーモデルも着心地は良く英国仕立てに近いのですが、以前ご紹介したコンジット通りの仕立てですので、私の好みであるサヴィル・ロウとは異なります。
構築的な肩の作りは私のやや落ち気味ななで肩を隠してくれます。
ラペル幅は標準くらいにして、フラワーホールを左右に付けています。
これはクラシックなデザインで、詰襟のように上まで釦を留めていた名残と言われています。
現在はノッチドラペルと同じように左だけに付けるデザインが一般的です。
腰ポケットは平行でフラップありの標準的なスタイルです。
着丈はやや長めにしていて、ベント幅も深くしています。
ディープサイドベンツというデザインで、これもクラシックなデザインです。
通常ベント幅は腰ポケットと同じ位の高さまで切れ込みが標準ですが、ディープサイドベンツはさらに3cmほど上です。
ベントの深さは着丈によって標準値が設定されており、私の着丈では24.5cmが標準です。
私が今回設定したのは27.5cmで完全に腰ポケットよりも上です。
こうしたのには色々と理由はあるのですが、一つは好みです。
もう一つの理由は、私の体型がウエストとヒップの差が大きいので通常のベント幅だと変な皺ができてしまうというのがあります。
袖釦は4つで並べたスタイルです。
そして今回、ほぼ初めて本切羽にしてみました。
釦を外すことはないのですが、釦ホールのディティールが仮切羽では安っぽく見えてしまうのが一番の理由です。
また、カフリンクスをするので袖口幅を広げてややフレア気味にしています。
本切羽についてはこちら↓
トラウザーズはノータックです。
ジャケットがダブルだとプリーツを入れる人が多いと思いますが、私はダブルならノータックのほうが好きです。
膝をやや細めにして膝と裾の差を小さくしたストレートの形です。
近年では膝から裾へ向かって細くなっていくテーパードシルエットがトレンドですが、脹脛が太かったりO脚の方は見た目が良くありません。
それにテーパードよりもストレートの方がすっきりして見えます。
また、ジャケットががっちりとしたダブルなのに下が細いとアンバランスで恰好が悪いです。
裾口はシングルで丈をワンクッションの標準的なサイズにしています。
裏地は黒の無地で素材はキュプラです。
キュプラの裏地は滑りが良く静電気が起きにくいのが特徴です。
釦は黒の二重たらいという形です。
ふちが盛り上がっていて、中央がくぼんだ独特な形をしています。
これもサヴィル・ロウで伝統的に使用されている釦です。
こう書きだすと色々変更していてこだわっているように見えるかもしれませんが、着てみると見た目は普通のスーツに見えます。
釦ホールの色糸を変えるでもなく、釦や裏地を派手にするでもなく、ダブルであること以外は極めて普通です。
そういったオーダーしましたというな分かりやすいアピールはあまり上品ではないというのが私の考えです。
人と同じはずなのに何か違うという些細な違和感を他人に感じさせるのがこだわりだと思います。
名古屋広小路通り店 鈴木