中高生の時、CDショップにある見知らぬアーティストのCDをジャケットだけを見て購入していた俗にいう”ジャケ買い”を その当時してたわけですが
今でも洋服のタグを見て妙に気に入ったら購入するという”タグ買い”なる事をしてしまいます。
というのも、先日スタッフどうしで、自分の着るスーツの生地を決める基準はどうするのかという雑談中に
私が「タグが気に入ったもので選ぶ」と言ったこと事が結構意外だったようでした。
たしかに生地だけみても「素材」「生地感」「色」等々… 物を選ぶ基準は人それぞれですが、
タグを条件に入れる方はそうそういないでしょう
しかしこれが実にコレクション要素があって楽しく、例えば
誰もが目にしたことがあるハリスツイードのタグですが、一度見たら忘れられないぐらいインパクトがあるではないですか。
ハリスツイードと言えば、ハリス島・ルイス島で手織りされる生地で、世界で唯一法律(ハリスツイード法)で品質と生産方法が保護されているブランドで
ハリスを謳った粗悪品がたくさん出回ったことがある背景から、 ”基準を満たしたものだけが オーブのロゴが入った認証ラベルを付けることが出来る” というエピソードも着てる時に実に信頼感があり、大好きな生地メイカーです。
こういったタグ1つとってもエピソードや歴史が詰まっているのがいいんですよね。
そんな感じで今回は私が気に入っている英国の生地タグを抜粋してご紹介いたします。
【William Halstead】
1着 ¥103,000ー(税抜)
コンビ¥63,000ー(税抜)
WとHが重なったシンボルマークに、大文字のロゴでドンと存在感のあるタグです。
ウィリアムハルステッド自体はラグジュアリーファブリックスの参加で、生地のイギリス中部の名産地ハダースフィールドに拠点を置く老舗メイカーです。
艶っぽいモヘア生地などに定評があり、伝統的な定番柄を多く展開しているのでブリティッシュスタイルのスーツを作るなら選択肢の一つとして非常におすすめです。
【Arthur Harrison】
1着 ¥98,000ー(税抜)
コンビ¥54,000ー(税抜)
Hからみょんと伸びた、蛇かリボンのようなマークに細字のFINEST BESPOKE FABRICSの文字
これぞ英国ブランドというような若干チープさを感じられるタグです。
英国好きにはこの雰囲気が良いと感じる同志もいるはずです。
ちなみにアーサーハリソンもハダースフィールドに拠点を置く名門ミル(生地織元)です。
バルマー&ラムグループに属しているアーサーハリソンはクラシックでマットな質感の生地が中心。
ブリティッシュスタイルにこだわる本格派にオススメの生地です。
【Savile Clifford】
1着 ¥133,000ー(税抜)
コンビ¥81,000ー(税抜)
盾形のユニオンフラッグの前に”ブラックラム”と呼ばれる羊がいます。
ブラックラムは頭数が少ない珍しい品種ということから「稀少性」や「特別な存在」の暗示しているんでしょうか。すごく高貴な感じがします。
サヴィルクリフォードはお馴染みハダースフィールドにあるスキャバルグループに属する老舗ミルです。
他の英国生地と比べて、ソフトでモダンな英国生地といったような印象があります。
ブリティッシュウーステッドの伝統と、イタリア生地のような軽やかさをバランスよく融合させた生地が多いため、フォーマルだけでなく、洗練されたビジネススタイルにもピッタリじゃないでしょうか。
【SCABAL】
1着 ¥118,000ー(税抜)
コンビ¥70,000ー(税抜)
シンプルで目を引く鮮やかなブルーのタグ。
ちゃっかりグローバルスタイルのダブルネームです。
A PASSIONとありますが、青なのに赤く見える情熱があふれています。
余白があり洗練された印象ですね。
スキャバルはベルギーのブリュッセル生まれのマーチャントで、現在はハダースフィールドに自社工場を持つ高級生地メーカーです。
トレンド感のあるデザイン性の高い生地からクラシックなウール生地、250’sの超高級なラインまで幅広く取り扱っており
ダイヤモンドチップとかゴールデンリボンという貴金属を織り込んだユニークな生地まで開発して居たりと手広いメーカーです。
【FOX BROTHES】
1着 ¥118,000ー(税抜)
コンビ¥70,000ー(税抜)
ブランド名通り、キツネがおりますが、創業者の名前がフォックスなのでそのままキツネがシンボルマークになっているんでしょうね。
キツネは英国で賢さや優雅さの象徴とされていますし、キツネ狩りが貴族のスポーツとして親しまれてきたことから伝統や格式を感じるタグになってます。
フォックスのタグはコレクションでガラッと見た目が変わりますが、そのほぼ全てに狐が描かれています。
フォックス自体、ウールフランネルの最高峰としても知られるブランドで一般的なフランネル生地よりも打ち込みがしっかりしており、耐久性があります。
近年ではサマーウールにも力を入れており、ポーラ生地やリネンブレンドなども多く、デザインはクラシックな物からポップな生地まで幅広く展開している印象です。
さあどうでしたでしょうか。
全部は紹介しきれないほど魅力的なタグですが、見えないところの拘りとしてお一つ参考にしてみてはいかがでしょう。
GINZAGlobalstyle銀座本店
村山